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少年法とは
逆送、保護処分、特定少年など、少年事件の手続きと論点をわかりやすく整理します。
📖 解説シリーズ
少年法とは?
逆送・保護処分・2021年改正をわかりやすく解説
最終更新:2026年5月
📋 この記事でわかること
- 少年法の目的と「少年」の定義
- 少年が事件を起こすと何が起きるか(審判の流れ)
- 「逆送(検察官送致)」とは何か
- 保護処分の種類(少年院・保護観察など)
- 2021年の改正でどう変わったか
- 少年法は「甘すぎる」のか?──議論の整理
① 少年法の目的と「少年」の定義
少年法は、「少年の健全な育成」を目的とした法律です。刑法と異なり、「罰すること」より「教育・更生」を優先する設計になっています。
少年法上の「少年」とは?
- 少年=20歳未満(ただし2022年4月施行の改正で「特定少年」の区分が追加)
- 特定少年=18歳・19歳(成年年齢引下げに伴い、一部で成人に近い扱い)
- 刑事責任年齢=14歳以上(14歳未満は刑事責任を問えない)
📌 よくある誤解:「少年」は性別に関わらず、男女どちらも指します。また「少年法」は被疑者・被告人だけでなく、非行少年全般に適用されます。
② 少年が事件を起こすと何が起きるか
成人の刑事事件とは流れが大きく異なります。
1
逮捕・任意同行
警察が事件を認知し、少年の身柄を確保
2
検察庁へ送致
検察官が事件を受理
3
家庭裁判所へ送致(全件送致主義)
日本では軽微な事件も含めすべての少年事件を家庭裁判所が審査します(「全件送致主義」)
4
少年審判
家庭裁判所が非公開で審理。裁判官・調査官が少年の生育歴・家庭環境なども調べる
5
審判の結果(主な3択)
- 不処分・審判不開始:事件が軽微で処分不要と判断
- 保護処分:少年院・保護観察など(→詳しくは④参照)
- 検察官送致(逆送):成人と同じ刑事裁判へ(→詳しくは③参照)
③ 「逆送(検察官送致)」とは何か
「逆送」とは、家庭裁判所が成人と同じ刑事裁判で裁くのが適切と判断した場合に、検察官へ送り返す手続きです。逆送された場合、少年でも成人と同じ刑事裁判を受けます。
| 種類 | 対象 | 条件 |
|---|---|---|
| 原則逆送 | 16歳以上の少年 | 故意の犯罪行為で人を死亡させた場合(殺人・強盗殺人など) |
| 裁量逆送 | 14歳以上の少年 | 犯罪の性質・情状などから刑事処分が相当と判断した場合 |
逆送された場合の主なポイント:
- 成人と同じ刑事裁判・裁判員裁判の対象になる
- 18歳未満は死刑不可(→ 最高刑は無期拘禁刑)
- 有罪確定で前科がつく
- 氏名・顔写真の公表は原則禁止(特定少年の一部は実名報道可)
④ 保護処分の種類
📋
保護観察自宅で生活しながら保護司と定期的に面談。最も軽い保護処分。
🏫
児童自立支援施設・児童養護施設送致
主に14歳未満が対象。施設で生活・学習。
⚖️
少年院送致最も重い保護処分。教育・生活訓練を受ける。前科はつかない。
少年院の収容期間はおおむね1〜3年で、家庭裁判所の決定による。「第1種〜第5種」で教育内容が異なる。
⑤ 2021年の改正でどう変わったか
2021年に少年法が改正され(2022年4月施行)、18歳・19歳を「特定少年」として区別する制度が導入されました。
| 改正前 | 改正後(2022年〜) | |
|---|---|---|
| 対象年齢 | 20歳未満全員 | 20歳未満(うち18・19歳は「特定少年」) |
| 原則逆送の対象 | 16歳以上で人を死亡させた罪 | 特定少年は対象犯罪が拡大(強盗・強制性交等も追加) |
| 実名報道 | 原則禁止 | 特定少年が逆送→起訴された場合は実名報道が解禁 |
| 前科の扱い | 逆送・有罪で前科がつく | 同様(特定少年も同じ) |
⑥ 少年法は「甘すぎる」のか?──議論の整理
凶悪な少年事件が報道されるたびに、「少年法が甘いから犯罪が減らない」という声が高まります。一方、専門家の間では異なる見解もあります。このサイトでは、双方の意見を整理してお伝えします。
🔴 厳罰化を求める声
- 被害者・遺族への不平等感(加害少年が守られる)
- 「少年だから軽い」という加害者側の計算が働く
- 凶悪事件の低年齢化・残酷化が進んでいる
- トクリュウが意図的に少年を利用している現実
🔵 現行制度を支持する声
- 少年犯罪全体は長期的に減少傾向
- 教育・更生に投資する方が、将来の再犯を防ぐ
- 脳の発達段階から見て、少年の衝動制御能力は成人より低い(科学的根拠)
- 厳罰化しても抑止効果の科学的根拠は限定的
このサイトの立場:どちらが正しいかを決めるのは私たちではありません。さまざまな事件の量刑を見て、あなた自身がどう考えるか、ぜひアンケートで表明してください。
📌 まとめ
- 少年法=教育・更生を優先した、20歳未満を対象とする特別な法律
- 少年事件は原則として家庭裁判所が審判する(全件送致主義)
- 16歳以上で人を死亡させた場合は「原則逆送」→成人と同じ刑事裁判
- 保護処分(少年院など)では前科がつかないが、逆送・有罪なら前科あり
- 2021年改正で18・19歳「特定少年」の区分が新設され、一部厳格化
- 厳罰化すべきか・現行通りか、議論は続いている