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拘禁刑とは
拘禁刑の意味、刑務所での生活、執行猶予や仮釈放、量刑との関係をわかりやすく整理します。
ニュースで「懲役○年」「禁錮○年」と聞いたことはありますか?2025年6月から、この2つは『拘禁刑(こうきんけい)』という1つの新しい刑に統合されました。このページでは、新しい拘禁刑の中身、刑務所での生活、執行猶予や仮釈放、そして量刑(=実際の刑の重さ)の決まり方を、やさしく説明します。
拘禁刑とは何か?
拘禁刑(こうきんけい)とは、罪を犯した人を刑事施設(=刑務所など)に入れて自由を奪う罰のことです。2025年6月1日に施行(=その日から法律が動き始めること)された改正刑法によって新設されました。
なぜ統合された?(2022年改正の経緯)
それまで日本には2つの自由刑(=自由を奪う刑)がありました。
- 懲役(ちょうえき):刑務所で刑務作業(=工場での作業など)を義務として行う
- 禁錮(きんこ):刑務作業は義務ではなく、希望すれば作業に従事できる
しかし、実際には禁錮で受刑している人のほとんどが希望して刑務作業を行っており、両者の区別がほぼ形だけになっていました。一方で、近年は『単に作業をさせるだけでなく、その人に合った再犯防止プログラムを行うべき』という考え方が強まりました。
そこで、2022年6月に改正刑法が成立し、2025年6月1日から、懲役と禁錮を統合して『拘禁刑』とすることになりました。新しい拘禁刑では、受刑者一人ひとりに合わせて、刑務作業・教育プログラム・治療プログラムを柔軟に組み合わせることができます。
刑務所ではどんな生活をするのか?
拘禁刑の判決を受けると、刑事施設(=刑務所)に収容されます。1日の生活はおおむね次のような流れです(施設や処遇区分によって違います)。
- 起床(午前7時頃) → 点呼・朝食
- 刑務作業や教育プログラム(午前8時頃〜):木工、印刷、農作業、職業訓練、薬物依存離脱プログラムなど
- 昼食・休憩
- 午後の作業・教育
- 夕食・自由時間(読書、運動、面会など)
- 就寝(午後9時頃)
新しい拘禁刑の特徴:個人別の処遇プラン
新しい拘禁刑では、刑務作業がすべての受刑者の義務ではなくなりました。代わりに、受刑者ごとに『何が再犯を防ぐために有効か』を考えて、作業・教育・治療を組み合わせるようになります。たとえば、
- 薬物事件の受刑者には、依存からの回復プログラムを多めに
- 性犯罪の受刑者には、認知の歪みを修正するプログラム(R3プログラム)
- 高齢の受刑者には、無理のない作業と健康管理を中心に
- 若年の受刑者には、職業訓練と学力向上プログラムを多めに
再犯を防ぐためには、ただ閉じ込めるだけでなく、何が必要かを一緒に考えるという発想が、より重視されるようになっています。
執行猶予とは何か?
執行猶予(しっこうゆうよ)とは、『有罪判決(=拘禁刑など)を受けたが、一定期間きちんと暮らせば実際には刑務所に入らなくてもいい』という制度です。
たとえば『懲役2年、執行猶予4年』という判決を受けると、
- 判決から4年間、新たに罪を犯さず真面目に生活すれば、刑務所に入らずに済む
- 4年以内に新たに罪を犯すと、執行猶予が取り消され、元の2年と新しい刑の両方を受けることになる
執行猶予がつく条件は?
- 拘禁刑3年以下、または罰金50万円以下の判決であること
- 前科がない、または5年以上前に刑の終了から経過していること
- 犯情(=犯罪の事情)・反省・更生意欲などから、刑務所に入れずに社会で更生させるのが適切と判断されること
執行猶予中には『保護観察』がつくこともあります。保護観察は、保護観察官や保護司(=ボランティアの専門家)が定期的に面談し、社会復帰を支える制度です。
仮釈放(かりしゃくほう)とは何か?
仮釈放とは、刑期(=決められた服役期間)が満了する前に、一定の条件のもとで刑務所から出ることが認められる制度です。
- 対象:拘禁刑(無期刑も含む)を受けている人
- 条件:有期刑は3分の1以上、無期刑は10年以上服役していること
- 判断:地方更生保護委員会(各地方更生保護管区にある)が、本人の改善状況・再犯のおそれの有無・受け入れ先の有無などを総合的に判断
仮釈放後は、残りの刑期が終わるまで保護観察を受けながら社会で生活します。仮釈放中に再犯したり、決められた条件を守らなかったりすると、仮釈放が取り消され、刑務所に戻されます。
量刑(=実際の刑の重さ)はどう決まるのか?
ニュースで『懲役○年』『拘禁刑○年』と聞きますが、その数字はどうやって決まるのでしょうか?
Step 1: 法律で決められた『法定刑』
まず、その犯罪に対して刑法等が定める刑の範囲(=法定刑(ほうていけい))があります。
例:殺人罪→死刑または無期もしくは5年以上の拘禁刑/窃盗罪→10年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金
Step 2: 個別事件で考慮される事情
次に、裁判所が以下のような要素を総合的に考慮して、具体的な刑を決めます。
- 犯行の動機(=なぜ犯したのか)
- 犯行の態様(=どのように犯したのか、暴力性・計画性など)
- 結果の重大性(=被害の大きさ、被害者数、死傷者の有無)
- 被告の前科の有無
- 示談や被害弁償の有無
- 反省の程度、更生の見込み
- 社会的影響、同種事件の量刑との均衡
Step 3: 過去の判例との比較
裁判所は、似たような事件で過去にどのような刑が言い渡されてきたか(=量刑相場)を参考にします。これは『量刑の均衡(=バランス)』を保ち、同じような事件で全く違う刑が出ることを避けるためです。
本サイト『国民全員で適正な量刑について考える』では、この『量刑の決まり方』を踏まえて、個別の判決が妥当かどうかを皆さんと一緒に考えていきます。
関連ページ
- 刑罰とは(日本の刑罰の全体像)
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- 社会復帰について
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