法定刑
- 不同意性交等罪(刑法177条):5年以上の有期拘禁刑。
- 不同意わいせつ罪(刑法176条):6月以上10年以下の拘禁刑。
- 不同意性交等致死傷(刑法181条)や強盗・不同意性交等(刑法241条)は、さらに重い刑の対象になります。
- 2023年7月13日施行の改正で、旧強制性交等罪から名称・要件が改められ、同意しない意思の形成・表明・全うが困難な8類型が明文化されました。
- 性交同意年齢は13歳から16歳に引き上げられました。
量刑の相場
本サイトの掲載事件では、拘禁6-9年から20年超まで幅があります。被害者数、継続性、暴力・脅迫、薬物、監護者・指導者など関係性の悪用、撮影・拡散の有無が重く見られます。
単発・被害者1人の事案では5年前後にとどまることがありますが、複数被害、長期継続、立場の悪用が重なると10年超、複数事件の併合では20年や有期刑上限に近い刑も問題になります。
「同意がなかったのに軽い」「一方で重すぎるのでは」と感じ方が割れやすいのは、性犯罪では立証の難しさと、被害の継続性・支配性の評価が量刑に強く影響するためです。
詳しい量刑帯の比較は 量刑相場ページ でも確認できます。
実際の事件例
ネットで集まった見知らぬ男たち——女性宅に侵入し集団で性的暴行、拘禁刑17年は妥当か(大阪地裁・2026年)
判決: 拘禁刑17年(共犯は拘禁刑12年確定/別の1人は公判予定)
拘禁6-9年「抵抗できなかった」のに、なぜ有罪?実父による娘への性的暴行、懲役8年は妥当か(富山地裁・2025年)
判決: 懲役8年(求刑:懲役8年・二審も支持し確定)
拘禁6-9年懲役6年6月は妥当か?登校中の女児に性的暴行・ジョギング中の女性も襲撃/福岡地裁(2025年)
判決: 懲役6年6月(求刑7年6月)
拘禁12-15年抵抗できない女性を、送迎の車内で5年間——「鬼畜の所業」に懲役14年。自首したのに、なぜ減刑されなかったのか(新潟地裁・2025年)
判決: 懲役14年(求刑:懲役18年)
拘禁30年超出会い系で誘い出し山中で緊縛、女性7人に性的暴行——有期刑の上限「30年」を超える「懲役41年」はなぜ生まれたのか(福岡地裁・2021年/2022年確定)
判決: 懲役16年+懲役25年=合計懲役41年(求刑:懲役15年+懲役25年=計40年)/2022年6月確定
拘禁15-20年「鬼畜の所業」でも、懲役20年は重すぎる?——実父による娘への性的虐待、二審が15年に減刑した理由(大阪高裁・2026年)
判決: 懲役15年(一審:懲役20年/一審求刑:懲役18年)
量刑を左右する要素
よくある質問
不同意性交等罪は罰金で済む?
不同意性交等罪に罰金刑はありません。5年以上の有期拘禁刑が基本です。
初犯でも実刑になる?
下限が5年で、通常の執行猶予の範囲に入りにくいため、初犯でも実刑が問題になりやすい罪です。ただし個別事情により減軽されることはあります。
親や教師などの立場を利用すると重くなる?
監護者、教員、指導者などの関係性を悪用した事情は、量刑上重く評価されやすい要素です。
2023年改正で何が変わった?
名称が不同意性交等罪に変わり、同意しない意思を示しづらい8つの類型が明文化されました。性交同意年齢も16歳に引き上げられています。
暴行・脅迫がなくても成立する?
成立し得ます。飲酒・薬物、恐怖、立場の悪用、経済的・心理的支配などで同意しない意思の形成・表明・全うが困難な状況なら、暴行や脅迫の有無だけでは決まりません。
なぜ「示談」でも減刑されることがある?
自白、被害弁償、謝罪、被害者側の処罰感情などは量刑事情として考慮されます。ただし、罪の重さや被害の大きさが消えるわけではありません。
上限はどこまで?
1つの不同意性交等罪では有期拘禁刑の上限が原則20年です。複数事件の併合では30年に達することもあります。
関連トピック
この刑は軽すぎる?重すぎる?──実例で確かめる
複数の被害でも有期、控訴審で減刑。この相場は妥当?
代表事件と、法定刑引き上げ・要件見直しの両方の改正案を見比べて、あなたの量刑感覚を確かめてください。
ご利用にあたって
本ページは、当サイト掲載の事件と公開情報をもとに量刑の傾向を整理した参考情報です。 実際の量刑は、被害の程度・前科・示談・反省・共犯関係などの個別事情で大きく変わり、 本ページが個別事件の結果を保証するものではありません。条文は2025年6月施行の拘禁刑表記を前提にしています。