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男性ホルモン遮断薬で再犯を防ぐ──メローニ政権が推進する厳罰路線、日本でも議論できるか

イタリア下院、性犯罪者への「化学的去勢」法案の起草委員会設置を可決

2026年5月21日

イタリアの下院が、暴力的な性犯罪者に対し本人同意で男性ホルモン遮断薬による治療を行うための法律を起草する委員会設置を可決した。日本での議論の手がかりを整理する。

イタリア下院が2025年に、暴力的な性犯罪者への化学的去勢(男性ホルモン遮断薬による治療)の法律を起草する委員会設置の動議を可決したことは、Euronews、Newsweek、複数の海外通信社が報じています。


まず3行で

  • イタリア下院が、性犯罪者に男性ホルモン遮断薬を投与する制度を作るための「委員会の設置」を可決しました。
  • ただし、強制ではなく本人同意が前提。薬の効果はやめれば元に戻る(可逆的)
  • まだ法律自体は成立していません。今後、委員会が法案を作り、国会で審議されます。

どんな話?

イタリア政府(メローニ首相=右派)の与党陣営が、2025年に暴力的な性犯罪者(レイプ犯・子どもへの性犯罪を犯した人など)に対して、男性ホルモンを抑える薬を使う制度を作ろうと動き出しました。

下院(国会の片方)で動議(「こういう方向で進めよう」という決議)が可決され、政府は法律を作るための委員会を設置することを約束しました。

「化学的去勢」って何?

物理的に体の一部を切り取るのではなく、男性ホルモン(テストステロン)の働きを抑える薬を定期的に投与する治療です。

性的な衝動が薬で抑えられるため、再犯を防ぐ効果があるとされています。薬をやめれば元に戻るので、「可逆的(リバーシブル)」と呼ばれます。

すでにドイツ・スウェーデン・ポーランド・韓国などで、似た制度(多くは本人同意)が運用されています。

強制じゃないの?

イタリアの動議では、**「合意に基づき、可逆的で、再犯リスクを減らすことを目的とする」**と書かれています。つまり、本人の同意を取って、いつでもやめられる薬を使う、という設計です。

ただし**有罪判決を受けた人が「治療を受ける代わりに刑が軽くなる」**といった仕組みを想定する案もあり、人権団体からは「事実上の強制になるのでは」という懸念も出ています。


なぜいま?イタリアの背景

  • メローニ首相の政権(2022年〜)は「法と秩序」を強く打ち出しており、数十の新しい犯罪を作り、罰則を強化してきました。
  • 2023年にイタリア南部で起きたティーンエイジャー集団レイプ事件が大きな社会問題となり、化学的去勢の議論が一気に進みました。
  • 与党連合の一つ「同盟(Lega)」は、以前から「小児性愛者やレイプ犯への化学的去勢」を公約に掲げてきました。

日本ではどうなっている?

日本では、化学的去勢は法制度として存在しません

ただし、性犯罪の再犯防止策として、刑務所内では以下のような取り組みがあります:

  • 性犯罪再犯防止プログラム(認知行動療法ベース)
  • GPSによる出所後の所在監視は議論段階(2026年現在、本格導入には至らず)
  • 性犯罪者情報の公開は限定的(韓国・米国のような公開制度はない)

2023年には不同意性交等罪への改正が行われ、性犯罪に対する罰則は強化されてきましたが、薬による治療を法律で求める仕組みは存在しません。


議論のポイント

日本で同じ議論をする場合、最低限おさえておきたい論点は次の通りです。

論点賛成側の意見反対側の意見
再犯防止効果海外データで一定の抑制効果あり全ての性犯罪が衝動のみで起きるわけではない
同意の取り方刑の軽減と引き換えなら本人選択事実上の強制になりかねない
副作用可逆的な薬なのでリスク低い骨密度低下・うつなど長期副作用の懸念
人権被害者・社会の安全が優先身体への介入で人権侵害の恐れ
費用再犯による被害コストを下げる制度設計・医療費の負担増

国民として考えたいこと

性犯罪は被害者の人生を大きく変える、極めて深刻な犯罪です。一方で、国家が個人の体に薬を入れるという制度は、慎重な議論を要します。

重い罰を与えれば犯罪は減るのか?」「治療と刑罰はどう違うのか?」──そんな問いを、海外の事例を見ながら考えていく必要があります。

みんなの量刑では、海外の動向を紹介しつつ、日本の制度をどう変えていくか、国民全員で議論を続けていきます。


📌 この問題に関連する改正案

国民からの改正案

性犯罪累犯への段階的措置(化学的去勢・GPS)

前科のある性犯罪者に対し、再犯時には化学的去勢、3犯目以降にはGPS装着を義務化する

この改正案に賛否を投じる →
刑罰の論点

化学的去勢の導入

性犯罪累犯への治療プログラム義務化

この改正案に賛否を投じる →
刑罰の論点

GPS装着・居住区域公開の導入

性犯罪者出所後の追跡措置

この改正案に賛否を投じる →

出典

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