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中国拠点の猫虐待動画グループ、ズーサディズム、国境を越える捜査の壁を考える
猫の虐待動画はなぜ取り締まれない?中国の「法の空白」と東京にいるとされる中心人物
2026年5月24日
猫を殺す動画を共有・販売する中国拠点のグループをBBCが報道。中心人物の一人は東京在住の27歳とされる。中国に動物虐待を罰する法律がなく、国境を越えた摘発の難しさが問われている。
🐾 動物虐待・国際捜査を考える
猫の虐待動画はなぜ取り締まれない?
中国の「法の空白」と東京にいるとされる中心人物
最終更新:2026年5月24日
📌 1分でわかるトピック概要
猫を殺す動画を共有・販売する中国拠点のグループをBBCが報道。中心人物の一人は東京在住の27歳とされる(本人は否定)。中国に動物虐待を罰する法律がなく、国境を越えた摘発の難しさが問われている。
📑 この記事で整理すること
- 何が起きているのか(BBC・CNNの報道)
- 投稿ペースがなぜ加速しているのか
- なぜ取り締まれないのか(中国の「法の空白」)
- 日本に住む人物が関わると、どの法律が使えるのか
- 動物虐待の「その先」と、量刑との関係
🐈 何が起きているのか
英BBCの報道によると、猫を殺す様子を撮影した動画を、暗号化されたサイトなどで共有・販売するグループが存在するとされます。メンバーは世界中に数千人いるとみられ、告発団体「フィーラインガーディアンズ」は、動画が中国を中心に拡散していると指摘しています。
潜入した活動家は、中心人物の一人を「東京に住む27歳の男性」と特定したと報じられました(国籍は不明。男性はBBCの取材に関与を否定したとされます)。米CNNも2025年5月に同様の問題を報じています。残虐な場面そのものには立ち入りませんが、グループは2023年9月に「猫を早く多く殺す」ことを競うコンテストまで開いたと報じられ、悪質性・常習性の高さがうかがえます。
動物が傷つけられる様子を見て快感(性的な満足を含む)を得る心理傾向のこと。専門家は、こうした動画には需要があり、それが残虐な動画の“供給”を生む悪循環につながっていると指摘します。
💰 なぜ「残虐」が“商品”になるのか
不思議に思うかもしれません。なぜわざわざお金を払ってまで、こんな動画を見たがる人がいるのか——。専門家は、ここに「需要が供給を生む」という市場の仕組みがあると指摘します。残虐な映像に「価値」を感じて課金する一定の層がいるからこそ、それに応えるための“新作”が作られ続ける、という悪循環です。
やりとりの多くは、一般の検索では見つからない暗号化されたチャットアプリや会員制の閉じた空間で行われているとされます。匿名のまま参加でき、痕跡が残りにくいため、外からは実態が見えづらい。撮影する人・場を運営する人・対価を払って見る人が、顔も本名も知らないまま結びついている点が、この問題の捜査をいっそう難しくしています。
「クローズド」とは、招待や合言葉がないと入れない閉じたグループのこと。「暗号化」されたアプリでは、やりとりの中身が運営会社にも読めない仕組みになっていることがあり、削除要請や捜査が届きにくくなります。便利な技術であると同時に、悪用されると“見えない温床”になり得るという、両面性をもっています。
📈 止まらない投稿(むしろ加速)
取り締まりが進まないうちに、投稿のペースが上がっていることも問題です。
| 2024年6月ごろ | およそ 14時間に1本 のペースで公開されていたとされる |
| 2025年2月ごろ | およそ 2.6時間に1本 へと大幅に加速したとされる |
⚖️ なぜ取り締まれないのか(法の空白)
最大の理由は、中国に動物虐待そのものを罰する包括的な法律がないことだとされます。処罰する法律がなければ、いくら残酷でも警察は動きにくい——これが「法の空白」です。罰則を設ける草案は議論されてきたものの、成立には至っていないと報じられています。
日本と比べると、その差がよく分かります。
| 国 | 動物への虐待・殺傷を罰する法律(とされる) |
|---|---|
| 中国 | 動物虐待を罰する包括的な法律なし(草案は議論中だが未成立) |
| 日本 | 動物愛護管理法あり。愛護動物をみだりに殺傷=5年以下の拘禁刑または500万円以下の罰金(虐待・遺棄=1年以下/100万円以下) |
日本に住む人物が関わっていても、どこで・どの行為をしたかで適用できる法律が変わります。実際の虐待が国外で行われ、日本では「動画の入手・拡散」にとどまる場合、どこまで罪に問えるかは簡単ではない、と指摘されています。
🌍 国境を越える「残虐ビジネス」
このグループは、撮影する人・サイトを運営する人・お金を払って見る人が国をまたいで結びついています。だからこそ、一国の警察だけでは止めにくいのが実情です。
動画拡散の中心とされるが、罰する法律が乏しい。
中心人物の一人が住むとされる(関与は否定)。
視聴者・購入者が分散している。
フィーラインガーディアンズは、在英中国大使館前でのデモや、13か国・23か所での同時抗議(2025年5月)を行い、中国政府に法整備を求めるとともに、「国際的な問題であり、各国の捜査当局が連携して摘発すべきだ」と訴えています。
🧩 動物虐待の「その先」
動物への残虐行為は、それ自体が重大であると同時に、人への暴力と結びつきやすいと指摘されることがあります。これは「ザ・リンク(The Link)」と呼ばれる考え方です。たとえば、子どもの頃に動物を虐待していた人が、後に重大な対人犯罪に及んだ例が知られており、欧米では動物虐待を「将来の暴力のサイン(予兆)」として早期に介入する取り組みが進んでいます。アメリカのFBIは2016年から、動物虐待を独立した犯罪カテゴリーとして統計に記録するようになりました。
もちろん、「動物を虐待した人が必ず人を傷つける」わけではありません。あくまで関連が指摘されているという段階です。それでも、「たかが動物」と切り捨てず、社会としてどこまで真剣に向き合うべきか——という問いを、この事件は突きつけています。
⚖️ もっと重く罰すべき(厳罰化)
残虐性・常習性・営利性がそろっており、対人暴力の予兆にもなり得る。需要を断つためにも、視聴・購入・拡散まで含めて重く処罰し、抑止すべきだ。
🤔 慎重であるべき(実効性・人権)
罰則を作っても、行為が国外なら日本の刑罰は届きにくい。過度な表現規制は乱用の恐れもある。罰の重さより、国際協力と削除の実効性を高める方が先だ。
🌐 国境を越える捜査のしくみ
「日本にいる人物が関わっているなら、日本の警察が捕まえればいい」と思うかもしれません。しかし国際的な事件では、そう単純にいかないのが実情です。犯罪が複数の国にまたがる場合、各国は国際刑事警察機構(ICPO=インターポール)を通じて情報を共有したり、相手国に捜査を依頼する「国際捜査共助」という手続きをとったりします。
日本の刑法は、原則として日本国内で行われた犯罪を裁きます。日本人が海外でした行為のうち、殺人や強盗など一部の重い罪は国外でも処罰できますが、すべての罪が対象ではありません。動物への加害を罰する動物愛護管理法には、こうした国外犯の規定が乏しく、海外での虐待そのものを日本で裁くのは難しいとされます。だからこそ「どの国で・どの行為をしたか」が決定的に効いてきます。
⚖️ 量刑との関係
仮に日本で立件できた場合、日本の動物愛護管理法では愛護動物の殺傷に5年以下の拘禁刑または500万円以下の罰金が定められています。ただし、撮影・殺傷そのものが国外で行われていれば日本の刑罰を直接科すのは難しく、国内での関与が「動画の入手・販売・拡散」にとどまる場合、どの罪に問えるか(また量刑がどの程度になるか)は、現行法では不透明さが残ります。
「残酷だから当然に罰せられる」とは限りません。罰する法律があるか、その法律がどの国のどの行為に及ぶかが決定的に重要です。だからこそ、国内法の整備だけでなく、国境を越えた捜査協力や削除要請の実効性も問われます。
📌 この問題に関連する改正案
インターネットで犯罪を積極的に肯定・周知した場合の加重
SNS等で犯罪を称賛・拡散する行為があった場合、本来の法定刑の1.5倍を上限とする量刑加重制度を導入する
この改正案に賛否を投じる →
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