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「海外サイトだからセーフ」「モザイクをかければOK」——その思い込みで、3人が公然わいせつで逮捕された
海外アダルトサイトの配信、なぜ日本で逮捕される?──「投げ銭1億円」の落とし穴
2026年6月11日
海外大手アダルトサイトで性行為をライブ配信したとして、出演した男女3人が公然わいせつ容疑で逮捕された。主催したとされる男は1年で200人を出演させ1億円を売り上げたとみられる。「海外のサイトだから日本の法律は及ばない」「モザイクをかければ安全」は本当か。なぜ捕まるのか、稼いだお金(犯罪収益)はどうなるのか、安易なアダルト配信のリスクを整理する。
📌 1分でわかるトピック概要
海外大手アダルトサイトで性行為をライブ配信したとして、出演した男女3人が公然わいせつ容疑で逮捕された。配信は2時間で、冒頭は体の一部を隠して無料、その後は「投げ銭」を払うと無修正部分が見られる仕組みで、この1回だけで100万円を売り上げたという。主催したとされる男は1年で約200人を出演させ500回配信・売上1億円とみられる。「海外サイトだから日本の法律は及ばない」「モザイクをかければ安全」——よくある思い込みは、なぜ通用しないのか。稼いだお金はどうなるのか。安易なアダルト配信のリスクを整理する。
📑 この記事で整理すること
- 何が起きたのか(ストリップチャット配信事件)
- なぜ「海外サイト」でも日本で捕まるのか
- 「モザイクをかければセーフ」は本当か
- 稼いだお金(犯罪収益)はどうなる
- 安易なアダルト配信への警鐘
📍 何が起きたのか
報道によると、警視庁は2026年6月、海外大手アダルトサイト「ストリップチャット」で性行為を配信したとして、出演した男女3人を公然わいせつ容疑で逮捕したと発表しました。ホテルでの行為を不特定の視聴者に配信し、無料部分だけでも最大8000人が視聴していたとされます。
配信は約2時間。冒頭25分は体の一部を手で隠して無料で流し、それ以降は「投げ銭」で料金を払うと性行為や隠していた部位が見られる仕組みでした。この1回で100万円を売り上げ、主催したとされる男(31)は2025年6月ごろからの1年で約200人を出演させ、500回配信、売上は1億円にのぼるとみられています。3人はいずれも容疑を認めているということです。
🌐 なぜ「海外サイト」でも日本で捕まるのか
・公然わいせつ罪(刑法174条)=不特定または多数の人が認識できる状態で、わいせつな行為をする罪。ライブ配信は「公然」と評価されうる。6月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金など。
・わいせつ電磁的記録記録媒体陳列・送信頒布罪(刑法175条)=わいせつな動画データを不特定多数が見られる状態にする罪。2年以下の拘禁刑または250万円以下の罰金等。録画した無修正動画の販売・公開はこちら。
「サーバーが海外にあるから日本の法律は届かない」という発想は誤りです。日本の刑法は「日本国内で犯罪行為が行われたか」で適用を判断します(属地主義)。配信した人・撮影した場所が日本国内なら、たとえ受け皿のサイトが海外でも、日本で行われた「わいせつ行為」「配信行為」として処罰できます。
動画投稿サイト「FC2」をめぐる事件でも、サーバーは米国にあったが、日本国内での運営・公開行為を理由に創業者らが摘発された。「アメリカでは違法でないと思った」という主張は通らなかった。どこのサイトを使うかではなく、どこで・誰が行為したかが問われる。
🟦 「モザイクをかければセーフ」は本当か
これも危険な誤解です。日本で「わいせつ」かどうかは、モザイク(修正)の有無だけで機械的に決まりません。性器が無修正ならまず確実にアウトですが、修正していても、その程度が甘く、わいせつ性が残っていると判断されれば処罰対象になります。
- 「うっすらモザイク」「一瞬だけ外す」などは、わいせつ性が残るとされやすい
- そもそも今回の事件は性行為そのものを配信した「公然わいせつ」で、修正の有無以前の問題
- 「ここまで修正すれば安全」という明確な数値基準は、法律には書かれていない(最終的に裁判所が判断する)
つまり「モザイクさえあれば合法」という安全圏は存在しません。配信者は「大丈夫だと思った」と語りがちですが、その思い込みのまま前科がついてしまうのが、この種の事件の典型です。
💰 稼いだお金(犯罪収益)はどうなる
「捕まっても、稼いだお金は手元に残るなら…」と考える人もいますが、そうはいきません。犯罪で得たお金は没収・追徴の対象になりえます。
・没収=犯罪で得た物・お金(犯罪収益)を国が取り上げること。
・追徴=そのお金を使ってしまって現物がない場合に、相当額を国が取り立てること。
とくに組織的・反復的にわいせつ配信で稼いだ場合、組織的犯罪処罰法などにより犯罪収益として没収・追徴されうる。「投げ銭」で得た売上も、犯罪収益と認定されれば対象になる。
本件のように1年で1億円といった規模になれば、その売上が犯罪収益として没収・追徴の検討対象になります。さらに、稼いだお金を申告していなければ脱税、出演者を集めて稼がせていれば主催者側の重い責任(場合により売春・人身に関わる別罪)も問われえます。「リスクの割に儲かる」どころか、お金は取り上げられ、前科だけが残るという結末になりかねません。
🚨 安易なアダルト配信への警鐘
| よくある思い込み | 実際は |
|---|---|
| 海外サイトだから日本の法律は関係ない | 日本で配信・撮影すれば日本の刑法が適用 |
| モザイクをかければ合法 | 修正が甘ければわいせつ性が残り処罰対象。明確な安全基準はない |
| 顔を隠せばバレない | 課金情報・通信・出演者の証言などから特定されうる |
| 稼いだお金は手元に残る | 犯罪収益として没収・追徴の対象になりうる |
「高収入」につられて出演しても、逮捕されれば実名報道・前科のリスクがある。配信は一度ネットに出れば回収できず、就職・結婚・家族に長く影響する。出演者の同意や被害の救済はAV出演被害防止・救済法でも問題になってきた。主催者だけでなく、出演者本人も公然わいせつで逮捕されている点に注意が要る。
⚖️ 取り締まりを強めるべき
海外サイトを隠れみのにした配信が野放しでは、わいせつ規制が骨抜きになる。投げ銭で巨額を稼ぐ主催者は厳しく摘発し、収益も没収すべきだ。
🤝 規制のあり方を問い直すべき
成人同士の同意ある性表現をどこまで罰するかは、表現の自由や性のあり方の議論。海外では合法な行為も多く、日本の「わいせつ」基準が時代に合っているかの再検討も必要だ。
「海外サイトだから」「モザイクがあるから」は、日本では通用しない。日本国内で配信・撮影すれば日本の刑法が及び、修正が甘ければわいせつ性が残り、稼いだ犯罪収益は没収・追徴されうる。出演者本人も逮捕され、実名報道・前科という代償を負う。安易なアダルト配信は「割に合わない」——この事件はその警鐘だ。
💬 みんなで考えたいこと
- 成人同士の同意ある性的配信を、どこまで処罰すべきか
- 投げ銭などで得た「犯罪収益」の没収・追徴を、もっと徹底すべきか
- 主催者と出演者で、責任の重さに差をつけるべきか
📌 この問題に関連する改正案
📚 出典・参考
- 毎日新聞 ほか各社報道(2026年6月、ストリップチャット配信・公然わいせつ容疑で3人逮捕)
- 刑法174条(公然わいせつ)・175条(わいせつ電磁的記録等)/属地主義(刑法1条)
- 組織的犯罪処罰法(犯罪収益の没収・追徴)/FC2をめぐる摘発・公判に関する各社報道
- AV出演被害防止・救済法
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